
「新入社員の研修で名刺交換をお願いしています!是非お願いします!」
いかにも体育会出身のガッツがある感じだった。
「名刺ぐらいならいいけど、営業電話とかいらないからね。」
これも世のため人のためと思い
、交換に応じた。
、交換に応じた。
「ありがとうございます!もちろんです!」
高3の夏で完全燃焼した直後の野球部のような爽やかな笑顔だ。
翌日、
「昨日名刺交換させていただいたものです!不動産投資の営業をしていまして、一度お話しさせていただきたくお電話しました!」
早速のお断りしていた営業電話がかかってきた。
営業マンとして迅速な対応は◎だったので仕方なく熱心な若者に付き合おうと思った。
「会うの時間はないので、電話で概略を教えてもらえる?」
概略は以下の通りだった。
・頭金なしでワンルームマンションが買えます。
・月々のローン返済額は想定賃料とほぼイコールなので持ち出しはありません。
・節税、相続税対策になります
・ローン返済完了後は賃料はそのまま収入になります。
電話越しだったので表情は見えなかったが意気揚々と話している様子で、おそらくキラキラした目をしているのが伝わってきた。
「わかった。興味があったらまた連絡する。」
色々と言いたくなった気持ちをグッと堪えて電話を切った。
不労所得の代表格として挙げられる不動産においてはこのような営業が世の中に多く存在しているのだろうと思い、遠くを見つめた。
つづく
(写真はいつの日か自宅に入っていたチラシ)

