「儲かりまっか?」
「ぼちぼちでんな」
言わずとしれた関西商人の挨拶である。
これは単純に儲かっているかと伺っているわけではなく、元気してますか?という意味も込められた挨拶である。たぶん。
さて、Vリーグさん、儲かってまっか?
これは残念ながら挨拶ではなく、懐事情を聞いているのである。
リーグが持続的に発展を遂げるには最低限の黒字化が必要である。
金があれば優秀な人も雇えるし、広告も出せるし、賞金も増やせる。
金はないよりあった方がよい、いやリーグにおいてはむしろないと困る。
儲かってるのか決算書に聞いてみた。
(引用元:https://corp.vleague.or.jp/report/)
これは2018-2019シーズンの決算書である。
このシーズンはリーグ改革初年度でVリーグからV.LEAGUEに名前が変わり、その他色々変更があった時である。
当期純利益はご覧の通り▲62百万円である。
収益の軸である協賛金と放映料は合計で約4.5億円。
Vリーグさんはぼちぼちではなかった。
ちなみに広告宣伝費は15百万円。
これではなかなか告知ができないのも当然である。
いや、もしかするとリーグの機構の収支とはこのように基本的に赤字で、都度協会から支援をもらう仕組みなのかもしれない。
Bリーグはできたのも最近だし、いい勝負しているのでないか、むしろいい勝負であってほしい。
(引用元:https://www.bleague.jp/about/management/)
当期一般正味財産増減額が当期純利益に該当する項目である。
当年度が127百万円、前年度は345百万円。
驚くべきは協賛金と放映料の額である。
なんと41億円。
目を丸くしながら2度見、いや3度見した。
たしかにBリーグが盛り上がっていることは百も承知であるし、集客もかなり上手くいっていることもニュースで見る、スポーツニュースで取り上げられることも多く注目度も高いが、日本リーグ時代から歴史のあり、過去にオリンピックも優勝しているバレーボールが負けているはずがない、とでもバレー協会の上のお偉いさんは思っているのかもしれない。
もしかすると当該年度だけ特別にこのような差が出ているのかもしれないと思い、過去5年分ぐらいの比較をグラフにしてみた。
それ以上比較できないのはBリーグが出来てまだそれだけしか経過していないからである。
Bリーグとの差は単年度だけではなかった。
収入の棒グラフが親子のように並んでいる。
もしかするとリーグの構造も違い、機構とチームの負担割合も異なるかもしれないが、それにしても差がありすぎている。
バレーはアリーナ競技で集客数に限りがあるし、最近世界での順位も高くないし、なかなか難しいのかもしれない。
あれ?バスケも同じだ。
今まで風の噂で聞こえてきていた言い訳は通用しない状況になってきている。
Tリーグなるものもスタートしており、当然ながら比較対象になってくるであろう(決算書は見つからなかった)。
スポーツの運営ではなく、興業としてどのようにすれば発展するのか、もうすでに考えているだろうが発信力含めて改善の余地はまだまだある。
収入が多くなれば、広告費も増やすことが出来るし、機構のスタッフも増やすことができる、試合運営に係るスタッフの待遇にもつながり、大会の賞金額も増額できる、各チームの負担を減らすような施策もできる。
とあるアヒルが言っていたように「お金は大事だよ~」である。
もともと多くないリーグ運営に必要な収入がコロナによって更に減少するかもしれない。
それはリーグが想定通り開催できないかもしれないという理由ではなく、スポンサー企業の業績悪化である。
Vリーグ男子のスポンサー企業はこちらである。
(引用元:https://www.vleague.jp/)
どの企業からいくら協賛金をもらっているか不明だが、旅行会社や航空会社はもちろん業績悪化、スポーツ各社もこれだけ自粛が続くとウェアや用品を買う人も少なく業績悪化は避けられないだろう。
業績悪化時にまず最初に削減対象になるうちの1つが広告宣伝費や協賛金である。
仮に例年通りの三密を控えるために観客数に制限をかけるようであれば尚更減額の理由となってしまう。
普通に考えればまずまず財政状況が悪化する、しかもどのように開催できるかわからない来季のリーグ戦であるが、様々な人の知恵を絞って成功に導いてほしい。